「久我山、もしかしてさっきの独り言? 宇宙の果てのこと考えたりする、って。」
「ぇ…。あれ。声、出てた…?」
返した言葉を聴くなり、やっぱり、と風間の柔らかい声が落ちて来る。理由は解らないけれど、それがひどく心地好い。
「俺もそう云うの考えるから、ちょっと嬉しかったのにさ。何だ、独り言かよ。」
「…あ、ごめ…ん……。」
「や、謝るところじゃないでしょ。ばぁか。」
また手が伸びて来る。
それをぼんやりと目で追っていると、途中でぴたりととまり、風間は苦笑した。
ごめん、癖なんだ、と。
「俺高校ん時にさ、部活の帰りにぽろっとそれ云ってさ。ダチに爆笑されたんだよなあ。ちょっとしたトラウマってやつ?」
「……? それ…、って?」
「ん、だから。宇宙のヴィジョンがー…、とか云ったん。したら、皆大爆笑。その後一ヶ月、ずっとそれがネタんなって。」
零の方に伸ばし掛けた手を緩く握り、自分の黒髪を触りながらまいったよ、と笑う風間の瞳は、眼鏡越しでも穏やかで優しかった。
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